レーザープリンタは,高速・高品質のプリント出力が可能なことと,近年の低価格化に伴い,コンピュータなどの出力機器として広く普及している.

本稿では,レーザープリンタの構成と印字原理,および,画像形成の要となるレーザー走資光学系,最近の製品と動向,などに関して解説する.

33・2・1 レーザープリンタの構成と印字原理

[a] レーザープリンタの構成

図33・5に,一般的なレーザープリンタの構成を示す.コンピュータなどの外部機器からのデータは,プリンタコントローラに入力され画像信号に変換される.画像信号は,レーザースキャナに入力され,そこから画像信号に応じて変調されたレーザービームが出射されて感光ドラム上を走査する(レーザービームが走査する方向を主走査方向と呼ぶ).

図33・5

感光ドラムは,主走査方向と直交する方向(副走査方向と呼ぶ)に回転しており,これによって感光ドラム上をレーザービームが2次元状に走査され,2次元画像が形成される.

[b] 印字原理

レーザープリンタの印字は,一般の電子写真プロセスが用いられる.感光ドラムは,光が照射されると電荷を発生する感光体で表面が覆われている.感光ドラムの回転方向上流側には帯電器が配置され,感光ドラム表面を一様に帯電させる.次にレーザースキャナからのレーザービームにより画像信号に応じて感光体が照射露光される.

露光された感光体からは電荷が発生し,先に帯電された電荷が中和される.それにより感光体面上に画像信号に応じた静電潜像が形成される.この静電潜像は,レーザービームが照射される位置の下流側に配置された現像器によりトナーが吸着され,感光ドラム表面にトナー像が形成される.

次に,現像器の下流側に配置された転写器により,用紙などの出力媒体上にトナー像が転写され,その下流側に配置された定着器により,トナーを出力媒体に固着させ排紙することによって一連の印字動作が終了する.

33・2・2 レーザープリンタの光学系

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