高度情報化社会の進展とともに,インターネットを利用して世界中の画像やマルチメディアが家庭でも自由に扱うことのできる時代になってきた.現在(2003年),動画や3次元画像の双方向通信が自在にできる次世代の情報通信システム,特に,伝送容量の飛躍的な向上を目指した全光化ネットワークシステム(フォトニックネットワーク)や全光化のフォトニック情報システムの研究開発が急ピッチで進められている.

光を情報媒体とする情報伝送・処理の特長は,1)超高速性,超広帯域性,2)超並列空間情報伝送・処理が可能,すなわち,2次元の信号配置を保ったままの情報伝送・処理あるいは並列信号伝送中の処理ができる,3)単一のシステム(光学系)で2次元の連続信号,離散信号,アナログ信号(濃淡信号),デジタル信号(2値信号),カラー信号などの異なる信号形態の並列処理が可能,4)可視光を使うと処理中あるいは処理結果を見ることができる,5)光の強度,位相,偏光,波長などを処理パラメータとする自由度の高い並列情報処理が可能など,電子的処理単独ではできない輿味ある情報伝送・処理が実行できることにある.

現在,高度情報社会を担っている情報システムは,電子技術を基盤とする時系列シリアル信号制御が基本となっており,光を情報媒体とする光通信システムでも光ファイバ通信路の両端で電子⇔光情報変換が必要であり,これが超高速化のネックとなっている.これを解決する手段として,現在,光時分割多重方式(OTDM),波長分割多重方式(DWDM),光符号分割多重方式(OCDM),あるいは,これらの併用方式を利用するシステムの開発研究が精力的に行われている.一方,空間パラレル信号制御(光学処理)を基本とする既存の空間光情報処理システムや光学機器では,光の定常状態のみを扱い時間制御の観点がなかった.これら二つの技術はともに光の物理現象を利用しているにもかかわらず,全く違う技術体系に立脚して発展してきた.

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