電気光学効果はレーザーの発明以前から知られていた最も歴史の古い非線形光学効果である.2次の非線形光学効果の一つである1次電気光学効果(linear electrooptic effect)(ポッケルス効果(Pockels effect))は,19世紀から知られていた現象で,これを用いることで電気信号による光の振幅変調・位相変調などが可能となる.電気光学変調(electrooptic modulation,EO変調)は,レーザー光の外部変調やパルスピッカー,Qスイッチングなどに応用されている.高速大容量光通信の分野では,半導体を用いた吸収形変調器が広く用いられるようになってきているが,電気光学効果を利用した光変調器はチャープのない理想的な変調が実現できることから,今後もさまざまな分野で利用されつづけるものと思われる.

9・1・1 電気光学効果1)

電気光学定数は以下のように電場印加による屈折率楕円体のひずみに対して定義されている.一般に,屈折率楕円体は,

式9・1

で表される.ここで,Bは比誘電率テンソルεrの逆テンソル(Bεr=I)である.x,y,z軸を誘電主軸にとると,電場がないときには,

式9・2

であるが,ここに電場Eが印加されると,屈折率楕円体がひずむことになる.これが電気光学効果である.電気光学定数は以下のように,このときのBijの変化から定義される.

式9・3

3階のテンソルであるrijkをl次(線形)電気光学係数(linear electrooptic coefficient),あるいはポッケルス定数(Pockels coefficient),4階のテンソルであるsijklを2次電気光学定数(quadratic electrooptic coefficient),あるいはカー定数(Kerr coefficient)と呼ぶ.2次電気光学効果は1873年にKerrによって初めて観測された.これが人類史上最初の非線形光学効果の発見であった.その後,RöntgenとKundtによって初めて1次電気光学効果が見出され,Pockelsによって本格的に研究された.

9・1・2 1次電気光学定数とその対称性

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