高出力レーザーを用いてラマン散乱を観測する場合,特に長寿命振動モードの中心周波数における光吸収が弱い媒質中ではラマン散乱強度は高くなる.このとき,式(10・12)のパラメータγνは小さく,かつωSIνとなるので散乱率はγνに反比例する.このとき,終状態の光子数nSは増大し,誘導放出強度に比例する(1+nS)が大きくなり,誘導ラマン散乱が有効に起こる.

z=0でレーザー光線が媒質に入射し,z軸に沿ってz0にある吸収による損失のない媒質中を伝搬していくとする.さらに,媒質中では,ラマン過程にかかわる分子はすべて基底状態にあるものとする(nν=0).このとき,ストークス散乱のみが可能である.ストークス散乱による光子数nSはzの関数であり,nS(z)はレーザー光線が入射する点z=0において0になる.z軸に沿ってストークス散乱光強度は増大する.単位距離当りの増加率dnS/dzは,単位時間当りの増加率(式(10・12))をラマン活性媒質中の光伝搬速度cで割ることで得られる.

式10・18

ここで,

式10・19

である.また,ラマン過程によって入射光レーザー強度はそれに比例して減少するので,

式10・20

である.これはnS=0のとき,

式10・21

であることを意味する.これより式(10・18)からn1を消去し,nS(z)について解くことができ,その結果は以下のようになる.

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