2・4・1 基礎方程式

光共振器には無限個のモードがある(3章参照).レーザー共振器の中の光電界はレーザー媒質によって増幅され,共振器の損失とレーザー出力の取出しによって減衰する.そこで,レーザー発振するのは増幅が減衰を上回る有限個のモードである.レーザ一発振しているモードλの固有関数をUλ(r),発振周波数をωλとすれば,共振器内の光電界E(r,t)と物質の分極P(r,t)は,

式2・111

と書ける.ここで式2・12i式2・12iiにくらべるとずっとゆっくり変わる関数である.モードλの固有周波数をΩλ,振幅減衰定数をαλとすれば,マクスウェルの式から,

式2・113

である.

いま,式2・12iii式2・12iv式2・12vにくらべて小さい場合,高次の微小量を無視すると,式(2・113)は回転波近似で,

式2・114

となる.

一方,2準位原子のレーザー媒質の分極はP=Nμz12十ρ12*),反転分布はI=N(ρ2211)であるが,これらの空間的分布は不均一であるから,それぞれP(r,t),I(r)と表す.式(2・37)と式(2・38)を式(2・111)および式(2・112)を用いて書き改めると,回転波近似では,

式2・115

となる.ただし,Iλλ’とAλλ’μμ’はモード関数の重なり積分

式2・117

で定義されている.

2・4・2 単一モード発振

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