ツリウム添加ファイバ増幅器(thulium-doped fiber amplifier)とは

ガラス媒体に添加された希土類元素Tm(ツリウム,原子番号69)の誘導放出遷移を利用した光ファイバ増幅器,ツリウムは,主としてフッ化物などの低フォノンエネルギーガラスに添加され,中赤外(1.9 μm,2.3 μm)から近赤外(1.46 μm),可視(0.48 μm)までさまざまな発光遷移が観測される.なかでも1.46 μmから1.49 μm近傍の誘導放出は,通称Sバンドと呼ばれ,次世代の光ファイバ通信システムの伝送帯域として注目を浴びており,近年研究開発が活発化している.