超微粒子(ultrafine particles)とは

粒径が小さいがためにバルクとは異なる物性や特性を示す微粒子.その粒径は,厳徒には材料種と着目する物性ごとに異なるが,おおむね数nmから数百nmの範囲になる.これより小さな,原子数千個以下の微粒子は,概念的に,細分化されたバルクというより原子ととらえる向きがあり,クラスタとも呼ばれる.物理的製法としては,ガス中蒸発法,ガス中レーザーアブレーション法,同時スパッタ法などが知られている.化学的製法としては,溶液(コロイド)法が中心となる.歴史的には,マスクウェル・ガーナーによるステンドグラスの発色機構の解析,Frölichによるアルカリハライドの赤外表面波モードの解析,久保亮五による久保効果の予言,などが有名である実用上の強保持力および残留磁化の強磁性超微粒子の開発などを経て,最近では非線形光学効果やIV族半導体からの常温可視発光など,より活性な素子機能を期待した研究が注目されている.→ナノ微粒子の合成