端面窓構造(window mirror structure)とは

半導体レーザーの端面部活性層のバンドギャップが素子内部の利得領域にくらべて相対的に大きしレーザー光に対して透明体となる構造.半導体の表面には界面単位が存在するため,活性層に注入されたキャリヤは表面再結合によって消失し,端面付近では利得が減少するそのため,そこでの光吸収が局所的な発熱を引き起こし,端面部活性層のバンドギャップを縮小させる.紛小したバンドギャップは光吸収を助長するので光吸収-発熱の正帰還がかかることになる.この結果,高い光出力でレーザー動作させると端面温度が結晶の融点近くにまで達し,端面ミラーが融解および破壊されてレーサーを発振不能にする場合がある.端面構造では光吸収が起こりにくいため端面劣化を抑制することが可能となり,レーザー出力および信頼性の飛躍的な改善が可能となる.端面窓構造の製法としては,端面にバンドギャップの大きな半導体材料を成長させる方法や,拡散などによってバンドギャップの大きな材料に変化させる方法が報告されている.