第二高調波発生(second harmonic generation)とは
2次の非線形光学効果に基づいて,媒質に入射した光(基本波)の2倍の振動数の光(第二日調波)が発生する現象のこと.レーザー光を用いれば比較的大きな強度の第二高調波を発生できるため,波長変換の方法として有用である.媒質は反転対称性を持たないことが必要である.高効率の第二高調波発生には,基本波と第二高調波とが位相をそろえて媒質中を進む位相整合の条件が必要で,媒質の複屈折を利用する方法や周期的な分極反転構造を形成し擬似的に位相整合させる方法などがある.2次の非線形性が大きな結晶を用い,周期状に分極反転することで位相整合ができ,また導波路構造を利用することで相互作用長を長くできるため,高効率な第二高調波発生が可能となる.無機有機の優れた非線形光学結晶が媒質として開発されており,たとえばβ-BaB2O4,結晶を用いて204.8 nmまでの短い波長の第二高調披を発生できる.なお連続光の基本法を用いた第二高調波発生では,基本波の強度を増大させるために,光導波路構造の結晶媒質や光共振器内に媒質を配置する方法がしばしば用いられる→周期ドメイン反転結晶,擬似位相整合