多光子顕微鏡(multiphoton microscope)とは

超短パルスレーザー光をプローブ光に用いた蛍光顕微鏡の総称.近赤外の超短パルスを試料上に集光し,2光子吸収によって発生する蛍光を,共焦点顕微鏡で計測,3次元画像化する.当初,チタンサファイアレーザーで実験がおこなわれたが,最近ではコンハクトな超短パルスファイバレーザーが開発されて,実用的な多光子顕微鏡が可能となった.必要な機能を持った色素や蛍光タンパクの付加技術が発達しつつある.超短パルスレーザーブローブの特長を生かすと,蛍光寿命の分布のように,ものの形ではなく,機能の分布を測定する新しい機能も可能となる多光子過程のみならず,多段階励起,高調波発生,4光波混合過程など,さまざまの多光子関与吸収,発光過程を利用る顕微鏡の開発が進んでいる.生物物理では,多光子顕微鏡を応用した7イクロ/ナノエンジニアリングという側面も有望な応用分野となりつつある.