スペックル干渉法(speckle interferometry)とは
物体にレーザー光を照射すると,表面での乱反射による干渉の結果,強度の濃淡分布が観測される.これを英語でスペックル(speckle,班点の意味)という.スペックルは,コヒーレントな光の重ね合せであるため光源に対して一定の位相情報を保有する.したがって,あるスペックル場を参照光(平面波でも別のスペックル場でもよい)と重ねるとその相対位相差に応じた干渉スペックル場が得られる.この状況で物体を移動させる(つまりスペックルを作っている光源からの距離,すなわち位相を変える)と,最初のスペックル場と参照光との相対位相差の変化に応じて干渉スペックル場のパターンが変化する(つまり,相対位相差の変化が2πの整数倍であれば変化がなく,そうでなければ相対位相差の変化に応じて強度が変わる).この変化より物体の移動量を計算する方法をスペックル干渉法という.変形する物体にこれを適用して変形前後での干渉スペックル場の差をとると,移動量が位置によって異なるため干渉縞が形成され,その縞の数や形から変形を解析することができる.