時間分解X線回折法(time-resolved X-ray diffraction)とは
X線をプローブ光として用いた,ポンプ・プローブ法によってX線回折測定をおこない,時々刻々と変化する構造変化を測定する方法.原子の動きを観測することにより,化学反応を時間空間で直接的に追跡できる.時間的に連続なX線と高速のX線検出器を用いて検出器に時間分解性を持たせる方法と,連続検出タイプの検出器とパルスX線を用いることにより時間分解をおこなう方法の種類があるX線ストリークカメラを用いることによりピコ抄オーダーでの時間分解計測が可能であるが,X線強度が非常に強いことが要求される.一方,超短パルス高強度レーザーを金属,ガスターゲットに集光照射すると,超短パルスX線を発生させることができる.このレーザープラズマX線で銅のKα線(0.154 nm)などを発生させ,金属表面のピコ秒時間分解回折の実験,薄膜のアブレーションのダイナミンクスの測定がおこなわれており,サブピコの時間分解能が得られている.これは軌道放射光のX線を用いる方法と競合する.