時間分解レーザーブラズマ軟X線吸収分光(time-resolved laser plasma soft X-ray absorption spectroscopy:TR-LAPXS)とは
まず,ナノ秒やピコ秒パルスレーザーを真空中で金属ターゲットに照射して,いわゆるレーザーブラズマを生成する.そこから,それぞれナノ秒やピコ秒のパルス軟X線が放出される.これをプローブビームとして用い,透過スペクトルを検出することによってパルス的な半導体プロセスや物質の高速相変化の時間変化を観測することができる.この時間分解軟X線吸収分光測定はシンクロトロン放射光(SR)を用いても可能であるが,本手法はポンプビームとプローブビームとの時間差を自由に調整して,簡単に時間分解測定を実験室規模でおこなえる点が特徴である.また,原子,イオン,クラスタと数十nmのサイズの超微粒子まで期待,液体,固体にかかわらず測定できるため,XANES(extended X-ray absorption fine structure)やEXAFS(X-ray absorption near-edge structure)の測定による時間分解構造(電子構造および幾何学的構造)測定法としても期待される.→相変化