衝撃波(shock-wave)とは

物質中をバルク音速で伝搬し,圧力,密度,内部エネルギーが急激に増加する不連続面,この不連続面の前後での質量,運動量,およびエネルギー保存則からランキン・ユゴニオ方程式が成り立ち,通常,初期密度,衝撃波速度,粒子速度を測定することで圧力と密度の関係を決定する.衝撃波は非線形現象で,線形波動の場合と異なり,正常反射以外にマッハ反射が起こる.この反射を利用してフォーカシングして強められる.また平面衝撃波の反射を繰り返しおこなうことで衝撃インピーダンス(初期密度と衝撃波速度の積)が大きい物質での反射では段階的に強まり,衝撃インピーダンスが小さい物質での反射では段階的に弱まる.固体や液体の凝縮体に衝撃波を与えると比較的容易に100 GPaを超える超高圧力の発生が可能であり,物質合成や物質の状態式の決定,超高圧力下での物性研究に利用される.衝撃波を利用したダイヤモンド合成や結石破砕などの医療への応用などさまざまな分野で役立っている.