植物生長(plant growth)とは
高等植物のライフサイクルは,種子の発芽から茎葉部の発達に至る栄養生長と,花芽形成から開花,結実に至る生殖生長の二つの段階に分けられる.そのおのおのの段階に対し,種々の環境要因(温度,水分,光,炭酸ガス,無機養分)が関与している.一般に発芽期およびその後の一時期についてのみ,種子中の貯蔵養分に依存して生長するが(従属栄養),生長の大部分の期間については炭酸ガスと水分を減量に光合成をおこない,また無機養分を吸収し同化して生長する(独立栄養).植物体乾物の90%以上は光合成産物である有機成分によって構成されており,吸水や無機養分の吸収も光合成産物を利用しておこなわれている.植物工場においては上記の環境要因を最適化することにより,植物生長(特に栄養生長段階)を,いかに早く,効率良く達成させるかが課題となる.それは植物生長で主要な役割を担う光合成反応をどこまで効率良くおこなわせることができるかにかかっていると考えてよい.