赤外多光子解離 (infrared mulli-photon dissociation)とは

赤外線レーザーによる分子解維のメカニズム.ばねを引っ張った際にばねのや伸びが小さければ先端につけられた錘は調和振動するが,伸びが大きくなると非調和な振動が起こる.同様に分子を高励起状態にすると振動ポテンシャルエネルギーの非調和振動性が大きくなる.その結果,振動量子数が大きくなるほど振動エネルギー単位の間隔は小さくなる.通常,このような状態ではレーザー光は分子の高励起準位において近共鳴あるいは非共鳴となり,多光子励起の確率は非常に小さくなるはずであるが,分子には振動準位とともに回転準位が存在し,この回転準位が振動準位の非調和シフトを補償することにより分子は共鳴的に励起および解離される.