青色光(blue light)とは
400 nmから500 nmの波長範囲にある光を指す.植物は光合成のエネルギー源として光を利用するのみならず,外界の環境認識にも光情報を用いている.光は細胞内の受容体に感知され,一連の情報伝達経路を介して形態などを制御する.光の波長範囲によって特有の受容体があるとされ,受容体によって植物体内での役割が異なると考えられている.なかでづ,赤色光と遠赤色光の受容体であるフィトロームは,種子発芽や花芽分化,開花,子葉の展開,葉緑素合成などの形態形成を誘起することが知られている.一方,青色光は葉の正常な形態形成に必要とされているが,その受容体はいまだ確定されていない.最近,青色光感受性変異株であるンロイヌナズナの研究から,hy 4という遺伝子が単離され,これが青色光の受容体であると推定されている.