生物フォトン放射(biophoton emission)とは

近年,すべての生物は肉眼では感知できないほど微弱な光を放ちながら生きているということがしだいに明らかになリ,生物フォトン放射と名づけられ,新しい生体光情報源として注目されている.その発光強度は,肉眼で比えるホタルやクラゲ,発光バクテリアなどの「生物発光」のレベルより3~6桁弱く.10-15~10-16 W/cm2(~300 photon/cm2・s,波長600 nmとして)程度以下である.生物フォトン放射は,生体内での代謝(酸素の消費,フォトン放射の生成など)の生科学反応の過程で励起され,その後,自然放出による発光を伴って低エネルギー状態に遷移する分子種によって生じる.たとえば白血球が細菌を攻撃する際に政出する一重項酸素などの活性酸素と関連した発光などが知られており,生物フォトン放射は生体防御機構や生物的状態,機能を反映するものとして注目されている.