リングレーザージャイロスコープ(ring laser gyroscope:RLG)とは
回転する閃光路光共振器の共振器長の回転方向に対するま差を,光の速度が慣性空間に対して一定であることを利用して,それぞれの方向に伝搬する光の周波数差として計測する光ジャイロの一種で,共振器内にが活性物質を持つアクティブ型の光ジャイロである.入力角速度Ωとそれに対する光の周波数差Δν=4AΩ/Lλで表される.ここで,Aは光路の囲む面積,L,λはそれぞれ光路長とレザーの波長である.RLGの高精度化の問題として,閃光路を構成するミラーの表面からの散乱光に起因する.低入力角速度領域での発振周波数引込みによる不感帯の存在があった.これに対して,ミラーの極低散乱化と,RLGを揺動するボディディザを加えることで同不感帯を解決し,現在では,10-3 deg/h台から10-2 deg/s台に至る,広いダイナミックレンジを持つジャイロとして航空機,ロケットなどの慣性誘導に用いられている.安定な環境下では最小検出感度は不確定性限界に達している.→レーザージャイロ,超低損失ミラー