2-D LDアレイ(2-D LD arrays)とは

半導体レーザーダイオードに電流注入し,十分な反転分布にするとレーザーは発振を開始し,光出力は電流の増加に対して線形的に増加する.単体の半導体レーザーでは,光出力は半導体レーザー共振器端面での光学損傷もしくは素子の温度上昇による光出力の飽和で光出力に限界がある.しかし応用上どうしてもさらなる半導体レーザーの光出力が必要な場合,1次元にアレイ化する.通常は10 mmのLDバーにブロードエリア型LDを60~100個くらいアレイ化して組み立て,名半導体レーザーに同時に電流を流す.こうすることによって,100~200 Wクラスの光出力を得ることができる.さらに半導体レーザーの光出力が必要な場合,1 cmバーのLDアレイを次々に積み重ねて(スタック化),2次元化アレイとする.このように2次元半導体レーザーアレイを2-D LD arrays(2次元レーザーダイオードアレイ)と呼ぶ.2-D LDアレイに同時に電流を流すと,構造(積数)によって異なるが,200 W~2 kWクラスの半導体レーザーの出力を得ることができる.この2-D LDアレイは,発熱をいかに少なくするかと,発生した熱をどのように冷却するかが重要な技術課題である.→アレイレーザー,高出力半導体レーザー