熱複屈折(thennal birefringence)とは

フラッシュランプや半導体レーザーによって光励起される固体レーザーにおいて,吸収された励起光エネルギーのうち,発振や増幅に寄与しないエネルギーは熱となって固体レーザー材料中に蓄積される.このため,固体レーザー材料内の温度勾配による応力によって熱ひずみが生じ,固体レーザー材料は光学的異方性を持つようになる.この結来,固体レーザー材料の光軸(z軸)に直交する面内で,x軸とy軸に平行な偏光成分に対する屈折率nxとnyが異なり,複屈折現象が現れる.この熱複屈折が固体レーザー材料に生じると,直線偏光を入射させた場合.出射光は楕円偏光となり,出力レーザービームの品質が低下する.この熱複屈折は,90度旋光子を用いて熱レンズ効果が無視できるとき,補償することが可能である.