Nd3+・LaF3(Nd3+-doped LaF3)とは

LaF3結晶はPrなどの希土類イオンの電子常磁性共鳴吸収研究材料として育成がおこなわれてきており,結晶は三方晶で,CeF3,NdF3などと同じ結晶構造を持つ.最近,LiSrAlF6やLiCaAlF6などのフッ化物結晶がレーザー結晶として注目されているが,これはNdドープ濃度を高くでき,ドーバントの発光寿命も長く,吸収帯の幅が広いという利点を有しているからである.LaF3母材中でのNdの1 μm帯蛍光寿命は約735 μsと酸化物中にくらべると2倍以上長い.また,10 at%以上の高Ndドーヒングも報告されている.これまでにF2レーザー励起により,172 nmを中心とした5d-4f遷移のレーザー発振が報告されており,真空紫外固体レーザー材料として注目されている.