群速度分散[光ファイバでの](group velocity dispersion:GVD)とは
群速度(波のかたまりが伝搬する速度)が,波長によって変化する現象.群速度分散を有する媒質中を光パルスが伝織すると,パルスの時間幅が広がってしまう.単一モード光ファイバでは,群速度分散は材料自体の屈折率の波長依存性に起因する材料分散と,導波路構造にすることによって生じる導波路分散との和で与えられる.標準的な石英系単一モード光ファイバでは波長1.3 μm付近で群速度分散がゼロとなるが,伝搬損失が最小となる波長1.55 μm付近で群速度分散がゼロとなるように屈折率分布を工夫した分散シフトファイバが,大容量基幹伝送路に用いられている.→光通信,波長分割多重