高振動励起分子(vibrationaly highly excited molecules)とは
分子振動が量子数2以上に励起された分子分子の内部状態は分子を構成する電子の運動と原子核の運動(分子振動と分子回転)に分離して表すことができる(Born-Oppenheimer近似).このうち原子核の相対配置が変化する運動が分子振動である.通常,分子振動は調和振動近似により基準振動(normal mode)という全原子核の協奏的運動として表され,振動モードごとに固有な振動数と量子数により表記される.一方,振動量子数が大きくなると(高振動励起状態),調和振動子近似が当てはまらなくなり,振動運動は特定の化学結合に局在化する.この2原子分子の振動に類似した運動をローカルモード(local mode)と呼んでいる.