固体レーザー(solid-state laser)とは
結晶またはガラス母体中にレーザー活性種となる希土類イオン(Nd3+,Er3+,Ho3+など)や遷移金属イオン(Cr3+,Cr4+など)がドープされたものをいう.中でも,ルビーレザー(Cr3+:Al2O3,694.3 nm),ガラスレーザー(Nd3+:glass,1.05 μm),YAGレーザー(Nd3+:Y3Al5O12,1.06 μm)などは占くから利用されてきた.これらは発振波長がほとんど同定している.最近,波長可変のできる高効率新固体レーザー材料が赤外域から紫外域で開発されている特に,チタンサファイア(Ti3+:Al2O3),は波長範囲が広いこと(680~1100 nm),熱伝導率が高いことなど優れた諸特性を有するためArイオンレーザー励起による高出力CW光源やフェムト秒パルス光源として普及している.またCr4+:LiSrAlF6(LiSAF:750~1000 nm),Cr4+:Mg2SiO4,(forsterite:1.16~1.35 μm),Cr4+:YAG(1.35~1.58 μm)などは直接レーザーダイオード(LD)励起できるため,小型光源化が進んでいる.LD励起Er3+ドープファイバレーザー(~1.55 μm)は光通信帯光源として普及している.低温動作(77 K)のアルカリハライド結晶(KCI,NaCIなど)色中心レーザーも赤外域波長可変光源として古くからある.