光線力学的治療法(photodynamic therapy)とは
1990年Raabによって初めて例証された腫協の治療法.極秘に選択的に取り込まれる腫瘍親和性光感受性物質を生体に投与後,その物質を励起する低エネルギーレーザー光の照射によって色じる生体反応により病巣を選択的に破壊し腫瘍を削除する.主にがん治療に試みられているが,最近では粥(じゅく)状動脈硬化巣の退縮にも試みられている.生体反応は,いまだ不明瞭な点が多いものの,レーザーによって励起された光感受性物質から発生する一重項酸素およびフリーラジカルな酸素(活性酸素)の発生による細胞障害,微小結界障害による血流遮断などが考えられている.