強相関電子材料(strongly correlated electron system)とは
強相関電子材料とは,電子間の相互作用が強く,従来の半導体で成功した1電子近似が成り立たない物質郡(有機物,無機物)のことを指す.次世代の産業電子技術の中核をなすと考えられる新規な現象(高温超伝導,超巨大磁気抵抗効果,良好な熱電特性など)や物性(軌道秩序,スピンフラストレーションなど)が相次いで発見されたことから,固体物理学の新たな未開拓分野として成長しつづけている最近では,光などのわずかな外場によって電子相を劇的に制御できることが見出され,光磁気変換デバイス開発などへの新たな潮流を生み出している.代表的な強相関電子材料としてYBa2Cu3O7-σなどの高温超伝導体,巨大磁気抵抗効果を示すLa0.7Ca0.3Mn3,不揮発強誘電体であるBaTiO3,良好な熱電特性を示すNaCo2O4,幾何学的フラストレーンョンが発現もするHo2Ti2O7などがあげられる.