近赤外分光法(near-infrared spectros copy:NIRS)とは
近赤外領域(通常波長700~1300 nm)の光は,生体組織中ではヘモグロビン,ミオグロビン,チトクロームオキンダーゼなど限られた物質によってのみ吸収され,可制光にくらべて散乱の程度が小さいため生体に対して高い透過性を有する.また,その吸収の程度はヘモグロビン,ミオグロビンの酸素化状態,チトクロームオキシダーゼの酸化状態によって変化する近赤外分光法は,このような性質を利用して,近赤外領域の連続光,パルス光,変調光などを生体に照射し透過してきた光の強度や位相などの解析からヘモグロビン,ミオグロビンの酸素化状態,チトクロームオキシダーゼの酸化状態を計測する方法であるNlRSは食品化学(果物の純度計測など)の分野でも用いられており,また近年血糖値の計測にも応用がすすめられている.