局部発振(local oscillator:LO)
ミリ波など直接増幅の困難な極微小電波の検出には,ヘテロダイン検出(heterodyne detection)という検出法が用いられる.ヘテロダイン検出では,検出信号と検出信号(fs)に近い周波数の基準信号(fLO)を非線形素子に入力し,非線形素子が発生するそれらのビートである差周波(fIF=|fLO-fs|を増幅・検出する.このとき,非線形素子をヘテロダインミクサ(あるいは単にミクサ)と呼び,基準信号と差周波をそれぞれ局部発振と中間周波(intermediate frequency : IF)と呼ぶ.ヘテロダインミクサは,通常,応部発振から中間周波数(fIF)分だけ離れた上下の二つの周波数成分を同時に変換して中間周波として出力する.これをダブルサイドバンド(double side-band:DSB)ミクサと呼ぶ.これに対し,ミクサに適当なフィルタ機能を付加して,局部発振の上下どちらか一方の周波数成分のみを変換して取り出すミクサをシングルサイドバンド(single side-band:SSB)ミクサと呼ぶ.通信や宇宙電波の観測では,一般に,シングルサイドバンドミクサが使用される.