経瞳孔的温熱療法(transpupillary thermotherapy)とは

近赤外(810 nm)のレーザー光を用いて,経瞳孔的に眼底病変に対してレーザー光を照射し,治療する方法.通常のレーザー光凝固と異なり,弱いレーザー出力で広範囲に照射することで凝固壊死をきたす,しきい値以下の温度上昇(45~60°C)を標的組織に起こし,組織を瘢痕化させる.眼科領域では,脈絡膜悪性黒色腫の治療に主に用いられてきたが,近年,脈絡膜血管腫や加齢黄斑変性に伴う脈絡膜新生血竹病変に対してもその有効性が報告され,新しい治療の選択肢の一つとして注目されている.