顕微分光法(microspectroscopy)とは

顕微分光の例として紫外可視吸収や蛍光測定はもとより,赤外吸収,ラマン散乱など知られている.また,最近では光熱変換過程の測定に基づいたきわめて高感度な熱レンズ顕微鏡や,ナノメートル・ピコ秒の空間時間分解能を持つ近視野光学顕微鏡などが開発され,単一微粒子の研究に必要不可欠な手法となっている.現在のところ,溶液中のマイクロメートル微粒子の研究については,レーザー捕捉法を組み合わせた顕微吸収蛍光法が用いられている.さらに.数十ナノメートルオーダーの超微粒子の研究においては,高分子薄膜中に分散させた試料については近視野光学顕微鏡,また,溶液試料については熱レンズ顕微鏡による測定がおこなわれるようになった.このような顕微分光法の進歩により単一微粒子の化学や科学がますます進展するものと期待される.