ガリウムヒ繁ウィスカ(GaAs whisker)とは
ガリウムヒ紫からなる極微細な針状結晶のことをいう.最近,有機金属気相成長法を用いて径が15 nmと細く,長さが数μmとかなり長いウィスカが得られるようになった.作製方法は,金の微粒子を成長の種として,いわゆるVLS(vapor-liquid-solid)成長メカニズムで成長すると考えられている.このため,金の微粒子を人工的に基板上に配置することによってウィスカの成長位置を制御することができる.また,成長方向が基板表面のAsダングリングボンドの方向と一致するという特長的な性質があるため,成長方向の制御が可能である.たとえば,GaAs(111)B基板を用いればウィスカは基盤に垂直に成長する.このようなウィスカは,成長の途中で原料ガスの組成を変えることによって,ウィスカの途中に微細なヘテロ接合やpn按合を形成することができる.実際にpn接合を形成したウィスカに電流を流すことによって,pn接合からの発光が確認されている.このように,ガリウムヒ素ウィスカはさまざまな特長を持ち.いわゆる2次元閉じ込め量子細線としての応用も考えられている.