回折光学素子(diffractive optical elements)とは

光の回折現象を効来的に利用して機能する光学素子のことである.波長オーダーの深さの凹凸または屈折等分布や振幅分布が,周期的あるいは準周期的に表面に形成されていることが特徴である.このような回折光学素子を用いることにより,従来の光学システムに対して,サイズ,重量,コストを大幅に削減できる可能性があり,また,従来の光学素子(屈折光学素子,反射光学素子)だけでは実現不可能な新機能素子(たとえば,2焦占レンズ)も期待できる.これまで,高い回折効事を有する素子の実現がむずかしかったが,近年,半導体プロセスを用いて,高い回折効率を有する素子を一括作製できる(量産性のある)製造技術が開発されて,急速に関心が高まっている.今後,新しい可能性の追求と同時に,実用化レベルの光学素子技術として,ますます発展していくものと期待されている.