位相測定(phase measurement)
波動である光には,強度に加えて位相という物理量が伴う.特にパルス光では,時閉領域と周波数領域のおのおのに有限の広がりを持つ結果,時間とともに変化する位相波形と,周波数の関数であるスペクトル位相が,両者ともに意義を持つ以前から用いられてきた用語である周波数チャープとフーリエ変換限界(transform-limited)は,それぞれ位相波形とスベクトル位相に関連する概念である.時間領域と周波数領域の間で変換をおこなう際に,位相と強度の両特性は複雑に混じり合ってしまうが,この性質こそが繰返し計算による位相再生の基礎をなしている.位相を強度から分離して直接測定する方式では,位相波形の直接測定が早くに実現されていたが,最近ではスベクトル位相の直接測定も達成されるに至っている.