プロテオミクス(proteomics)とは
「遺伝子(gene)の情報の集合体であるゲノム(genome,染色体上の全遺伝子情報)を扱う学問」という意味で用いられる「ゲノミクス(genomics)」に対比して造られた,「ゲノムから発現した全タンパク質群(プロテオーム,proteome)を扱う学問」という意味の造語「-ome」とは集団,塊を意味する接尾辞,生命活動全体をとらえるため,「細胞内分子機械」であるタンパク質の発現の動態(細胞や組織内での局在,発現量,発現の時系列)を,翻訳後修飾やタンパク質,相互作用を含めて分子レベルで研究する学問領域,またはそれによって得られた知識や事実の総体を指して「プロテォミクス」と称する.プロテオームを同定することを一つの目的としているが,その重要な技術要素として,2次元ゲル電気泳動法.液体クロマトグラフィーやキャピラリ電気泳動などの液相分離法,質量分析法,バイオインフォマティクスがあげられる.