フォトリフラクティブポリマー(photorefractive polymer)とは
光強度の空間分布に応じて局所的に屈折率が変化する現象(photorefractive effect)を発現する高分子・光励起により発生したキャリヤが,外部電界または拡散あるいは光起電力効果などにより輸送され,キャリヤが発生した場所と異なる場所で捕獲されると,局所的な電荷分布が発生する.これにより発生した内部電界が非線形光学効果を誘発し,屈折率を変調する.屈折率変化は,材料の非線形光学定数と内部電界の大きさに依存し,応答速度の上限は,電荷の輸送時間で決まる.保持時間は,捕獲サイトからの脱出時間で決まる.内部電界の大きさは,拡散係数と移動度の比および捕獲された電荷の量に依存する.有機物系においては,各素過程(光キャリヤ発生,非対称な電荷輸送,電荷捕獲,非線形光学特性)のすべての機能を分離し,別々の分子または機能ユニットに割り当てることが可能になるので,材料設計の自由度が高くなる.