フレネルゾーンプレート(Fresnel zone plate)とは
光の屈折現象を利用した結像素子で,入射光に対して透明および不透明の同心円状の輪帯を繰り返した円形の透過型回折格子である.光学の大家であるフレネルが,光の回折現象を説明するために用いた球面放の似相区分(フレネル帯)と原理的に同じであることからフレネルゾーンプレートと呼ばれており,単にゾーンプレートともいう.その形状は球面波と平面波の干渉パターンであるので,平面波を入射させたときに集光作用,すなわち球面波の生成作用を持つことが直感的に理解できる.輪帯の幾何学的大きさは使用する波長と必要な焦点距離によって決まり,最外周輪帯幅とほぼ等しい解像度を持つ.軟X線領域で顕微鏡用レンズとして利用した場合は,現在50 nm以下の解像度が得られている.利用波長域は1 nm前後~数十nmである.→軟X線顕微鏡