フェムト秒分光(femtosecond spectroscopy)とは

物質の光応答を,フェムト秒(10-15秒)からサプピコ秒(10-13秒)の時間分解能で分光測定する実験方法.この時間領域に光が集中するフェムト秒レーザーを光源として試料を励起することにより,この時間内で光と物質の相互作用を瞬間的に誘起することができる.さらにフェムト秒レーザー光の一部を検出光として使用することで,誘起された光励起状態の緩和過程を検出光の時間幅で抜き出して分光測定することが可能となる.1フェムト秒で光が進める長さ(300 nm)は光の波長と間程度であり,この実験方法はピコ秒以下の短い時間で起こる光応答を測定するための手段として現在注目されている.