ポンプ・プローブ分析(pump-and-probe analysis)とは
もともとは極短パルスレーザーをビームスプリッタで二つに分岐し,一方を試料に当てて現象を誘起し,時間遅延したもう一方を現象分析用に使用する過渡現象分析手法である.カリフォルニア工科大学のProf.A.H.Zewailはフェムト秒レーザーにこの手法を適用し,その功績により1999年ノーベル化学賞を受賞した.近年,チャープパルス増幅による卓上テラワットレーザーの開発に伴い,極短X線パルスの発生が可能となり,レーザー以外の光源も利用可能になっている.それらを使った分析手法の開発・利用研究が世界で盛んになっている.さらにレーザーと加速器がRF信号を介してピコ秒,サブピコ秒精度で,同期がとれるようになり,その二つからのビームを使った分析もおこなわれている,特にレーザープラズマピコ秒X線やSRをプローブパルスとして使う時間分解X線回折によって,半導体単結晶中の原子の動きが観察できるようになっている.