光誘起反応(photoinduced reaction)とは

物質が光エネルギーを吸収し,電子励起されたことにより誘起される化学反応を一般に光誘起反応といい,光化学反応を指す場合もある.最も単純な反応として,励起された化合物から分子やイオンへの電子移動すなわち光(誘起)還元反応,あるいは,その逆方向の電子移動である光(誘起)参加反応があげられる.そのほか,励起された化合物自体が化学変化を起こす場合の光異性化反応,光転移反応などがある.これらの反応は,一般に非常に速く起こるが,高密度の極超短パルスレーザーを用いることにより,反応速度を物質の変化として直接観測することが可能になる.