光触媒(photocatalysis)とは

光触煤とは,光照射下で,ある化学反応を加速促進させる物質で,その物質そのものには変化のないものをいう.光触媒には,気相や液相で用いる固体触媒から,液相で用いる錯体媒質まで種々のものが存在する.また,光の役割も多様であり,吸収した光を反応推進のためのエネルギーとして用いるものや,光照射により反応活性のある配位過飽和の触媒を生成する役割のものもある.TiO2(チタニア)のような酸化物半単体触媒では,半導体が光を吸収し,そのエネルギーで電子遷移を誘起し,伝導帯と価電子帯の間で電荷分解が発生する.生成した電子および正孔が数億倍(半導体)表面に移動し,おのおの還元反応と酸化反応をおこなう.典型的な反応例として,水の完全分解反応や微少有機汚染物質,NOxなどの環境汚染物質の分解除去が報告されている.