光トモグラフィー(optical tomography)とは
3次元物体の内部から「光学的に」スライスした2次元断層像を広義的に光トモグラフィーと称する.顕著な光散乱媒質である生体組織の光トモグラフィー計測の最大の難点は,散乱および拡散光に埋もれた信号光をいかに抽出するかということにある.広併域スペクトル幅を持つ光源の時間領域の低コヒーレンス性を利用して,干渉計において生体内部からの反射光波をミクロンオーダーの距離分解能で検出する光コヒーレンストモグラフィー(optical coherence tomography:OCT)法が開発され,医療の臨床現場ですでに実用域に達している.一方,透過光を用いた光トモグラフィーでは,擬似直進光を検出して従来の投影データによるCT(computed tomography)法に基づいて光CT像を構成する研究と,拡散光を積極的に利用して分光による機能イメージングを目指す研究が進められている.→CADシステム,積層造形法