光位相共役(optical phase conjugation)とは
光電界複素振幅の複素共役を発生させる操作.3次の非線形光学材料にポンプ光Ep(ωp)と信号光Es(ωs)を入射すると,角周波数2ωp-ωsのアイドラ光が発生する.アイドラ光の複素振幅は|Ep(ωp)|2Es(ωs)*に比例するので,アイドラ光は信号光の位相共役波となることがわかる.伝搬してきた光の位相共役放を同じ経路に沿って戻してやると,経路上のどの位置においても,位相共役波の光電界は入射光の光電界の複素共役となる.したがって経路上で光電界が位相の擾乱を受けても,位相共役波はあたかも時間を遡るように伝搬し,位相の擾乱が補償される.この性質は,補償光学や光ファイバ通信システムにおける分散布補償に応用されつつある.