微細加工(micromachining)とは
比較的小さな素材や材料に対する穴あけ,切断.溝切りなどで,特に微細な形状で高精度が要求される加工を微細加工という.元来,ドリルや旋盤などの製材機械を使用しておこなう機械加工であったが,より高精度で高品位に加工したり,機械加工では困難な対象物への微細加工が,レーザー加工での重要な課題となっている.すでにレーザーアブレーションの現象を利用して電子回路基板のバイアホール,プリンタのインクノズル,医療材料カテーテルの細孔のように数十から数百μm径程度の穴あけなどが実現されており,工業化されているものも少なくない.近年は,短波長レーザーや超短パルスレーザーを使用しての高硬度金属,無機結晶,光学ガラス類などの微細加工が研究開発課題となっている.どのような材料に通用できるか,どこまで微細にできるか,形状と寸法精度,加工断面や周囲の損傷程度などが微細加工の技術課題である.