光ファイバアンプ(増幅器)(fiber amplifier)とは
光ファイバ中を伝搬する光信号の伝送路あるいは分配による減衰を補償するためには,信号光を増幅しなければならない.信号光の増幅には,これまで光信号を電気信号に変換し,半導体素子などにより電気的に増幅したあと,光に変換し再送信する方式が用いられていた.これに対し光ファイバ増幅は,ファイバ内で生ずる各種の非線形作用により,光信号をファイバ内で直接増幅するもので,希土類元素ドープファイバ増幅器,誘導ラマン増幅器,誘導ブリユアン増幅器などがある.今日,これらの方式の中で利得,効率および雑音特性などの良好な希土類元素ドープファイバを増幅媒質とした増幅装置(波長1.55 μmの信号光を増幅できるエルビウムドップファイバアンプなど)が広く商用化されている.希土類元素ドープファイバによる増幅は,誘導放出を用いているため高出力であり,かつ,半導体による電気的な増幅回路では不可能な高い変調周波数および波長多重された信号を増幅できるため,情報量のきわめて多い信号光を増幅できる.そのため,超長距離無中継システム,光多分配システム,光周波数多重化ンステムの実用化には不可欠である.→0.98 μm帯励起,希土類ドープ光ファイバ増幅器