発光ダイオード(light emitting diode:LED)とは
半導体のpn接合を利用して,順方向に電圧を与えるとn領域にある電子がp領域の正孔と再結合して,発光する.この現象を利用して電流を直接光に変換する半導体素子を発光ダイオード(LED)という.エネルギーギャップ(Eg)程度の電源電圧で電子正孔が移動しpn接合付近で会合すれば,エネルギーギャップ程度のエネルギーを持つ光子(hν~Eg)が発生する.LEDは自然放出光で20~30 nmと広いスペクトル幅を持ち,スーパールミネッセンスLED(super luminescence diode:SLD)は,誘導利得を受けた自然放出光で30~40 nmの広いスベクトル幅を持つ.一方,半導体レーザー(LD)は誘導放出光であり,5 nm以下の狭いスペクトル幅を持つ,III-VI,II-IV族,IV-IV族間化合物半導体を用いて各色(近赤外,赤,橙,黄,緑,青,紫,紫外)のLEDが市販されている,青,緑,赤の三原色LEDがそろったことより,高輝度フルカラーLEDディスプレイが注目されている.また,高出力・高効率のGaAlAs赤色(660 nm)LEDやInGaN青色(450 nm)LEDは植物工場用人工光源としても実用されている.これらLEDはLD動作も可能であり,将来は遠赤色(730 nm)も含め,すべてLDを用いたレーザー植物工場が実現されると考えられている.→光合成