汎地球測位システム(global positioning system:GPS)とは
複数の人工衛星からの電波信号を同時に受信し,人工衛星を基準として受信点の位置を求める技術で,米国で開発された.GPS衛星は衛星ごとに異なるパターンの疑似雑音符号(PNコード,pseuclo random noise code)が割り付けられ,それに重ねて軌道要素や送出時刻など測位計算に必要なデータを載せた電波(航法メッセージ)を常時送出している.測位方式にはGPS受信機1台を用いて独立に位置を求める単独測位法(測位精度,数十m程度)と,複数台の受信機1台で同時に同じ衛星群から信号を受信し,受信機相互間の相対位置関係を求める相対測位法(基線長の百万から千万分の1の測位精度)がある.