F2レーザー(F2 laser)とは

電子励起されたF原子とF2分子との衝突,あるいはF2正イオンとF負イオンの再結合によって形成されるD'(~11.6 eV)のF2*励起状態からA'(~3.6 eV)準位間で発振する波長157.59 nmの真空紫外波長レーザーであり,強励起型の放励起エキシマレーザー装置を用いてHe/F2ガス5気圧程度において容易にMW程度のピーク出力が得られる.利得/吸収の比が小さいためにエネルギー取出し効率が非常に悪く,短パルス強励起によって利得を高くして光強度を飽和レベルまで到達させることで出力は飛躍的に向上する.ただし,そのためASEモード出力が支配的でビーム品質は放電構造で決まってしまう.ピーク強度を利用したプロセシング応用などがすでに多く報告されており,実用レベルに達している最短波長レーザーといってもよい.→今真空紫外リソグラフィー