液晶の配向制御(alignment control of liquid crystal)とは
分子重心の位置的秩序(positional order)が熱連動によって崩壊し,その配向秩序(orientational order)のみが残った分子凝集系を液晶と呼んでいる.一般的に液晶分子はその形状も異方的であり,体状ないしは円盤状に代表される.したがって,液晶の一様配向ドメインでは分子の向き,すなわち配向方向(配向ベクトルで表され,棒状系液晶ではその長軸,円盤状液晶の場合は円盤面に対して垂直軸)が一様に同方向となる配向(alignment)をとっている.液晶の配向秩序は光学的にも電子的にもその機能の源であり,配向制御は重要な因子.液晶ディスプレイでは,ネマチック液晶の配向ベクトルを基板界面のポリマー修飾によってネマチック相のホモジニアス配向(基板面に平行配向)と,これを微弱電界印加によりホメオトロピック(垂直)配向にスイッチ,これに伴う光学的性質の変化を透過光の強弱として表示に応用している.