4・2・1 共振器からのレーザー出力の取出し方法

[1] 開放形共振器

自由空間を導波路とする開放形共振器(3章参照)からレーザー出力を取り出すカップリング方法として,次の各種があげられる(図4・9参照).気体レーザー,固体レーザー,色素レーザー,外部ミラーのある半導体レーザーなど,ほとんどすべてのレーザーに適用される形である.

図4・9

(a) カップリングミラー

共振器のミラーの一方の反射率をほとんど100%とし,他方のミラーに適当な透過率を持たせて,レーザー出力を取り出す.遠赤外レーザーではこのミラーの代わりに金属メッシュを用いることもあるが,取扱いは同じである20)(最適の透過率については4・2・2で取り扱う).

(b) カップリングホール(結合孔)

カップリングミラー((a)項)で,ミラーとして適当な透過材料が得にくい赤外域などでは,中心に小孔をあけて出力を取り出すのが簡便である.孔の径は,カップリングミラーの透過率を決める関係とほぼ類似の取扱いであるが,光の波長やスポットサイズとも関連がある21)

(c) 共振器内反射ミラーによる方法

共振器内へ,半透明ミラーをレーザー軸に対して45°またはブルースター角で押入(ブルースター窓そのものを利用することもある)し,口径の大きなビームとして取り出す方法と,結合孔((b)項)の代わりとしての小さい鏡を用いてレーザー光を取り出す方法22)とがある.

(d) 小さい共振器ミラーの周縁からの取出し

不安定共振器を利用する場合などにおいて,一方の共振器ミラーを小さくし,その周縁からリング状に回折光を取り出す方法である23)

(e) 回折格子の0次光の利用

一方のミラーの代わりにブレーズ角にある回折格子を用いて波長選択共振球を構成することが,色素レーザーやCO2レーザーなどで一般に用いられる.この場合に,レーザー光の取出しは,他方のミラーから透過で取り出すことが多いが,図4・9(e)のように,回折格子の0次またはブレーズでない次数の光を取り出し,モニター光などに利用することがある24)

[2] 導波路形共振器

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